矯正治療は長い期間おこなうことがほとんどですが、その治療の終え方を書いていきます。
インビザライン矯正治療の実際
まず、インビザライン矯正治療の流れからご説明いたします。
インビザライン(マウスピース矯正)は、患者さまによって違いますが複数枚使います。たとえば 30 枚としましょう。その 30 枚を全て使い切ったら治療は終わりかというと違います。ほぼ全ての患者さまがインビザライン(マウスピース)の作り直しをします。
作り直しをするのはナゼか。それは微調整が必要だからです。インビザラインにて矯正治療を始める場合、必ず治療のシミュレーションをお見せしますが、そのシミュレーションの最後の状態要するに治療の最終目標を 100 とするとしっかりと使っていただいても現状 95 くらいにしかなりません。多少の誤差が出てしまうことがほとんどです。
従いまして、必要に応じて作り直しをおこなって 100 に近づけていきます。
インビザラインの終え方

ではその終え方はどのようになるかですが、それは患者さまおよびドクターその両方が終えてもいいと思った時です。しかしながらこれはなかなか難しかったりします。患者さまと価値観が違う場合があるからです。ですから私は日頃の定期診察時から価値観の擦り合わせをおこなっていきます。特に治療の終盤にはしっかりと丁寧にご説明していきます。
患者さまの気持ち

“一日でも早く終わりたい”というのがほとんどです。私自身も矯正治療を受けましたので充分その気持ちは理解できます。特に治療の後半は大きな変化が無いのでなおさら早く終わりたくなってきますよね。非常に分かります。
ドクターの気持ち

“一日でも早く終わらせたい”なんです実は。意外でしょうか?なぜなら長引かせて良いことなんて一つもないからです。しかしながら矯正歯科治療ももちろん医療ですので中途半端では終えられませんし終わりません。ではドクター側の終える際の基準を列挙します。参考にしてみてください。
- 歯と歯の間に隙間なくしっかりとコンタクトしているか
- 上下の歯がしっかりと噛んでいるか
- 各歯移動目標を達成しているか
上記が最低限確認する項目で一つでも未達成でしたら再度インビザライン(マウスピース)の作り直しをして改善していきます。
ただし、もちろんどうしても終えたいと言われましたら、無理矢理続けるわけにはいきませんので現状のご説明および途中で終えるリスク等ご了承いただけましたら終えることはできます。
注意事項として…

患者さまのご要望が難しいこともございます。矯正歯科治療も医療です。歯を動かす量には必ず限界があります。また歯の傾きや噛み合わせなど現状より悪くするご要望の場合はおこなえません。その場合は患者さまと話し合って良い方向へ進めたらといつも考えております。
【執筆・監修者】
矯正歯科アラインクチュール 東京銀座院
院長 與儀 賢(よぎ さとし)
2015年 神奈川歯科大学 歯学部 歯学科 卒業
2022年 アラインクチュールデンタルオフィス 東京銀座院 院長就任
[講習会・セミナー]
2018年 Bio progressive Study Club basic seminar
2019年 ALIASリンガルストレートワイヤー ベーシックセミナー
2020年 フジタメソッド 歯列内側矯正セミナー
2021年 インビザラインシステム導入セミナー
2022年 プロシード歯科矯正用アンカースクリュー ベーシックセミナー
[所属団体・学会]
日本矯正歯科学会
日本舌側矯正歯科学会
東京矯正歯科学会