矯正治療には大きく分けて 2 種類の方法があります。それはワイヤー矯正(マルチブラケット装置)とマウスピース矯正(アライナー矯正)の 2 種類です。どちらの方がいいか迷われると思いますので、それぞれの特徴を書いていきます。
ワイヤー矯正

矯正治療の基本です。歯科矯正学は100年以上の歴史がありますが、その歴史を作り上げたのはワイヤー矯正です。よってあらゆる症例に対応できますが、マウスピース矯正と比べると遠心移動(奥歯を後ろに動かす)は苦手です。
装置の改良によってだいぶ目立たなくなってきましたが、やはりマウスピースと比べると目立つとは思います。
痛みはほぼ必ず起こるでしょう。月に一回ギュッと縛って調整しますが、そのたびに 3 日 4 日痛むのが常です。
矯正治療は患者さまの協力が必要ですが、ワイヤー矯正はマウスピース矯正とくらべると協力は少ないです。歯に直接くっつけているので、お食事もそのまま食べることができます。
最重要なのは通院です。月に一回クリニックでドクターによって調整して歯が動いていくからです。
マウスピース矯正

約 25 年前にシステム化された方法です。インビザラインがマウスピース矯正の歴史を作り上げてきたと言っても過言ではないでしょう。今ではワイヤー矯正と同レベルで治療がおこなえるようになってきましたが、ワイヤー矯正と比べると近心移動(奥歯を前に動かす)は苦手です。
透明なマウスピースなので装着していても気づかれることは少ないでしょう。非常に目立ちにくいです。
痛みもワイヤー矯正と比べると少ないです。週に一回新しいマウスピースに交換を繰り返し進んでいきます。よってワイヤー矯正の月に一回のギュッと縛るのを 4 回に分けて動かしているイメージです。したがって痛みは少ないです。
取り外し式なのでワイヤーと比べて非常に協力が必要です。よって慣れるまでは大変かもしれませんが、慣れて生活の一部にできれば問題ないかと思います。
最重要なのは、マウスピースを指示通り使うことです。指示通りご自身で使ってもらって計画通りに歯が動いていくからです。
矯正治療と虫歯

矯正治療はワイヤー矯正・マウスピース矯正その両方で虫歯リスクは上がります。どちらかと言うとマウスピース矯正の方が取り外してしっかりと磨ける分まだリスクは低いですが、歯磨きの重要性はどちらも同じです。
もし矯正治療中に虫歯になってしまったら、基本的には虫歯治療が優先です。ワイヤー矯正の場合は、虫歯のできた場所によっては装置を外す必要が出てきたり、マウスピース矯正では虫歯治療後にマウスピースが合わなくなってしまうことがあるのでその場合は作り直しが必要となります。
よって、矯正治療中は虫歯リスクが非常に高くなりますので、就寝前の徹底した歯磨きと定期的なクリーニングは必須となります。
まとめ
ワイヤー矯正とマウスピース矯正のどちらがいいかは基本的には患者さまに選んでいただけます。
しかしながら、上記理由から治療計画や患者さまの性格なども鑑みてどちらの方が適しているかは患者さまそれぞれ違います。
当院では診断時により適している方をご提案させていただいております。
【執筆・監修者】
矯正歯科アラインクチュール 東京銀座院
院長 與儀 賢(よぎ さとし)
2015年 神奈川歯科大学 歯学部 歯学科 卒業
2022年 アラインクチュールデンタルオフィス 東京銀座院 院長就任
[講習会・セミナー]
2018年 Bio progressive Study Club basic seminar
2019年 ALIASリンガルストレートワイヤー ベーシックセミナー
2020年 フジタメソッド 歯列内側矯正セミナー
2021年 インビザラインシステム導入セミナー
2022年 プロシード歯科矯正用アンカースクリュー ベーシックセミナー
[所属団体・学会]
日本矯正歯科学会
日本舌側矯正歯科学会
東京矯正歯科学会